課題のポイント

実現したい未来

  • これからペットを飼いたい高齢者が安心してペットを飼うことを選択できる社会
  • ペットを飼っている高齢者が安心してペットと一緒に生活を続けられる社会

現状

高齢者がペットを飼うにあたって、健康等の理由によって世話ができなくなる不安は、現在ペットを飼っている方に止まらず、飼いたいと思っている方があきらめる理由の多くを占めている。
また、現に高齢の飼い主がペットの世話をできなくなったり、ペットだけ家に取り残されたりする状況に、現場の社会福祉関係職員がやむなく対応するケースもみられ、社会問題化している。

解決したい課題

  • 高齢の飼い主が十分に世話ができなくなった時に、飼い続けられるように支援する仕組みがない
  • 高齢の飼い主が入院や亡くなった時に、ペットを次の飼い主へつなぐ仕組みがない
  • 高齢の飼い主からのペットに関する相談に対応する場がない

想定する解決策

以下のいずれか一方もしくは、他の解決策の提案の募集。

  • ①自力でペットを世話することが難しい状態を発見した社会福祉関係職員等と連携し、飼い主が自宅でペットを飼い続けられるような支援につなげる
  • ②万が一の時に新しい飼い主・保護団体等につなぐサービスも提供する

民間組織側の想定メリット

  • 社会福祉関係職員との連携により地域でサービスを必要としている人へアプローチすることができる。(隠れた需要の発掘)
  • 社会福祉関係職員と連携した新しい取組であり、広報効果が期待できる

Story

愛護センターの一室でドライヤー中の保護犬

高齢者福祉の現場とペット

高齢者福祉における課題は多岐に渡りますが、そのうちのひとつに、飼い主が高齢で、ペットの面倒を見られなくなるという事態があります。高齢者福祉の現場であるヘルパーやケアマネージャーのなかには、放っておけないという気持ちから、本来業務の責任を超えて、取り残されたペットの面倒を見たり、代わりの飼い主を探したりする人もいるそうです。

動物愛護センターの2010年からの調査でも、犬及び猫についての引き取り理由が「飼い主の体調不良・死亡」である割合が、常に30%~50%程度を維持し続けており、今後、増えることがあっても減ることはないだろうという予測があります。

高齢者とペットの問題は、待ったなしの状況にあります。

高齢者の生活の質(QOL)を高めてくれる「ペット」という存在

仕事や学校などで日中不在がちな若い世代と違い、一般的に高齢者は在宅の時間が長い傾向があります。ともすれば生活の質(QOL)を下げてしまうこの傾向は、ペットを飼う際にはメリットになります。飼い主がペットと長時間一緒に過ごすことができる環境は、ペットにとっては安心ができる材料になりますし、飼い主である高齢者自身も、孤独感を癒し、生活リズムを整え、うるおいのある生活を送ることができるようになります。

このように高齢者のペット飼育は本来相性が良いと言えるものですが、自分の年齢を考えて、あらたにペットを飼うことをためらう高齢者も少なくありません。衝動的にペットを飼い始める無責任な飼い主が問題になる中で、ペットの将来を真剣に考え、諦めている高齢者のみなさんにこそ、ペットと幸せになって欲しいと考えています。高齢だから、という理由でペットを飼ってはいけない、そんな社会にはしたくないのです。そのためにはペットのことを真剣に考えてくださる方々が、安心してペットを飼うことができる環境を作っていく必要があります。

インタビューを受ける担当者

高齢者が安心してペットを飼育するために求められる環境

高齢者が安心してペットと過ごすことができるように、すでに市民団体や企業のさまざまな取り組みがあります。高齢者が一人で飼うことが困難になったとき、散歩補助等、飼育を支援してくれるサービス。飼い主の死後、ペットを引き取って最期まで飼ってくれたり、代わりの飼い主を探してくれるサービス。多くの場合、あらたにペットを飼うときには、ペットが子供の状態から始めますが、高齢者向けに、高齢のペットとのマッチングをしているところもあります。動物愛護センターでも、ペットのための終活セミナーといった高齢者向けのイベント開催などを行っています。

こういった取り組みがより周知され、利用しやすくなることで、安心してペットとの生活を選択することができます。

保護猫の顎の下をなでる担当者

多様なソリューションを求めます

今回のオープンラボでは、高齢者福祉の最前線である地域包括支援センターに寄せられているペットに関する課題を解決できる方々を求めます。高齢者とペットに関する問題は、現在進行形で動いています。動物愛護センターと地域包括支援センターの協力関係を使って、いままで地域包括支援センター単体では解決できなかったペットの問題を、オープンラボ参加民間団体の皆さんと一緒に解決してゆくことを目指します。

「高齢者とペット」についての多様なソリューションを持つ方々の参加を歓迎します。飼い主の飼育支援、新たな飼い主とのマッチング、飼育についての啓発等、さまざまな分野の知見をお寄せください。まずは支援のありようにも多くの形があるということを知っていただくことが必要です。高齢でも安心してペットと生活できる仕組みづくりのために、みなさんのご参加をお待ちしております。

保護犬と目を合わせる担当者

募集概要

担当課

京都市保健福祉局医療衛生推進室医療衛生企画課

担当部署の事業の概要

京都動物愛護センターを拠点とした「人と動物とが共生できるうるおいのある豊かな社会」の実現に向けた事業の推進

背景
  • 高齢者は、ペットを飼いたくても飼うことをあきらめている方が多い。
  • 飼っている人でも、最後まで飼えるか、急な入院等の対応を不安に思う方が多い。
  • 現に動物愛護センターの引取依頼のうち、「飼い主の体調不良・死亡」の割合が増えており、ペットを飼う高齢者の不安が現実化している。
実現したい未来
  • これからペットを飼いたい高齢者が安心してペットを飼うことを選択できる社会
  • ペットを飼っている高齢者が安心してペットと一緒に生活を続けられる社会
現状
  • 高齢者で、ペットを飼いたい方は全体の57%であるが、そのうち、ペットを飼うことをあきらめている方は67%。
  • あきらめる理由としては「最後まで飼えるかわからない」を49%、「急な入院等で世話ができない」を44%の方が挙げており、健康等を理由に飼い続けられなくなることへの不安により諦める方が多い。
  • ペットを飼っている人でも「急な入院等でペットの世話をどうするか」について36%の方、「最後まで飼えるか」について32%の方が不安に感じている。
  • 現に高齢の飼い主がペットの世話できない、ペットだけ家に取り残されている状況も見られるようになっている。介護の現場でペットの世話ができない状態になっていることを発見し、やむなく社会福祉関係職員が代わりに世話をしたり、譲渡先を探すケースもみられ、社会問題化している。
検討経緯・これまでに実施したことがある施策等
  • 高齢者のペットの飼養実態アンケート(R3.12実施、65歳以上の市民300人対象)
  • 社会福祉関係職員を対象にした研修会を開催
  • 誰でも参加できる「ペットのための終活セミナー」を開催
解決したい課題
  • 高齢の飼い主が十分に世話ができなくなった時に、ペットの世話をする等、飼い続けられるように支援する仕組みがない
  • 高齢の飼い主が入院や亡くなった時に、ペットを次の飼い主へつなぐ仕組みがない
  • 高齢の飼い主からのペットに関する相談に対応する場がない
想定する解決策

解決策として、以下①、②を想定しているが、①、②いずれか一方もしくは、他の解決策の提案の募集。

  • ①自力でペットを世話することが難しい状態を発見した社会福祉関係職員等と連携し、飼い主が自宅でペットを飼い続けられるような支援につなげる。具体的には、ペットのお世話や、ペットの相談に対応するサービスを提供する
  • ②万が一の時に新しい飼い主・保護団体等につなぐサービスも提供する
民間組織側の想定メリット
  • 社会福祉関係職員との連携により地域でサービスを必要としている人へアプローチすることができる。(隠れた需要の発掘)
  • 社会福祉関係職員と連携した新しい取組であり、広報効果が期待できる
提案企業に求める専門性
  • ペットの世話に関する知識
  • 動物愛護活動者とのネットワーク
  • 飼い主の相談に応じるための対人スキル
提供可能なデータ・環境等

地域包括支援センターをご紹介し、地域のネットワークを築く支援が可能

スケジュール感・主要なマイルストン

2022年度内に実証実験を実施したい

事業実施にあたっての留意点、制約等

本事業は、京都市が毎年度の予算を投じて実施するものではなく、事業者による自走化を目指せる仕組みを想定。

参考情報

高齢者のペットの飼養実態アンケート結果(PDF形式、355KB)

今後の展開想定

本格的に事業が実施された際には、社会福祉関係部署との連携を図る中で、当該事業を積極的に案内する。取組内容(https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000309285.html)

提案の提出期限 2022年9月5日〜9月20日

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