募集課題
高齢者も安心してペットと生活できる仕組みづくり
担当課
京都市保健福祉局医療衛生推進室医療衛生企画課
採用企業等
ねこから目線株式会社

京都市保健福祉局医療衛生企画課では、『人と動物が共生できるうるおいのある社会の実現』を目指しています。

高齢者福祉における課題は多岐に渡りますが、そのうちのひとつに、飼い主が高齢で、ペットの面倒を見られなくなるという事態があります。

高齢者にとって、ペットとの生活は、うるおいのある生活を送ることができる一方、自身の健康等の理由でペットの世話ができなくなる不安があります。そのため、ペットを飼いたいと思っても諦めてしまうケースが多いのが現状です。

そこで、「高齢者も安心してペットと生活できる仕組みづくり」を解決したい課題に設定し、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、ねこから目線株式会社(所在地:大阪市都馬区、代表取締役:小池英梨子)から下記のような解決策の提案があり、京都市として採択することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。

プロジェクトの概要

目的 高齢者も安心してペットと生活できる仕組みづくりを通じて、人と動物が共生できる、うるおいのある社会の実現。
課題 高齢者にとって、ペットとの生活は、うるおいのある生活を送ることができる一方、自身の健康等の理由でペットの世話ができなくなる不安もあることから、ペットを飼いたいと思っても諦めてしまうケースが多い。
解決策 ねこから目線株式会社が提案する「飼い続ける支援」「飼い始める支援」にて、高齢者が不安を抱える日常のペットの世話や、万が一飼えなくなった時の引取り先について相談できる体制を構築すること。
成果 飼い続ける支援への問い合わせ、申込み:合計11件

飼い始める支援への問い合わせ、申込み:合計2件

プロジェクトのタイムライン

企業が提供した技術やアイデア

飼い続ける支援(ペットヘルパーサービス)

  • サービス登録者宅へ月に1回訪問し、猫の世話を代行する。(3,000円/回・15分)
  • 飼育相談や動物病院とのつながり作り
  • 訪問時の猫と飼い主の様子を家族等に写真で共有し、離れた家族への見守りも担う。
  • 飼い続けることができなくなった場合、猫の引取先を調整する。

飼い始める支援

提携する猫の保護団体と調整し、サービス利用者の希望に沿った猫を譲渡する。

※サービスの周知に用いたパンフレットの一部

 

京都市が提供したサポート

  • 社会福祉関係部局、市内動物病院等職員を対象に事業の説明会を行うとともに、各施設でリーフレットの配架依頼を実施。
  • 京都市が主催するイベント(ペットの終活相談会、動物愛護フェスティバル)にてサービスや事業の紹介を実施。

実証実験により十分なニーズを確認、今後も連携を検討

京都市保健福祉局医療衛生企画課:塩田、大久保

本プロジェクトでの実証実験では、「飼い続ける支援」「飼い始める支援」の申し込み等の数こそ伸びなかったものの、サービスの内容については関係者間では高評価でした。特に、高齢者福祉に関わる業界において十分なニーズがあることが伺えました。

申込み件数の伸び悩みは、ペットの飼い主である高齢者が「今はまだ利用しなくて良い」と、緊急性の低いサービスだと認識したことが考えられます。

啓発活動を含め、長期的な取組が必要であることが判明しましたが、事業実施の社会的意義は大きいものがあります。今後もねこから目線株式会社と継続して連携を進めていくことを検討しています。

高齢者・猫・社会にとって三方良しの取り組み

ねこから目線株式会社

企画担当:小池英梨子さん

当社は関西圏を中心に活動する、ノラ猫・保護猫専門のお手伝い屋さん(迷子猫の捜索、地域猫活動・多頭飼育崩壊事案への支援等)です。今回京都市に「飼い続ける支援」と「飼い始める支援」を提案し、連携するに至りました。当事業は、高齢者・猫・社会にとって三方良しの取り組みになるように設計しています。

京都市と連携したことにより、官民協働の先進的な取組であるとして、新聞4社、テレビ1社の取材を得ることができました。また、地域包括支援センターや動物病院などの周知にもご協力いただき、当社の取組に興味関心を持つ方に向けた情報発信が進みました。おかげで、全国で猫問題に取り組む方々からの問い合わせにもつながりました。

サービスの改良と全国展開へ向けて

ねこから目線株式会社

訪問担当:松井幸子さん

担当職員の方には、サービスをリリースする前のブラッシュアップから協力していただきました。これにより、市民の皆さんに受け入れられやすい内容にすることができました。また、京都市のネットワークで地域包括支援センターや社会福祉協議会など、関係各所に広報ができたことから、サービスが必要な人への周知が進みました。

今後は「飼い続ける支援」「飼い始める支援」のサービスをさらにブラッシュアップし、継続して市に提供していきます。合わせて、当社の他の事業所でもサービスを提供できるようにしていく予定です。

京都市以外の地域でも取組が広がっていくように、猫問題の解決につながるノウハウを公開していきます。

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