視覚障害のある人が主体的に観光を楽しめる観光環境の整備
- 募集課題
- 視覚障害のある人が主体的に観光を楽しめる観光環境の整備
- 担当課
- 京都市保健福祉局障害保健福祉推進室
- 採用企業等
- 大平印刷株式会社( https://www.taihei.co.jp/ )
募集の経緯
障害保健福祉推進室では、全ての人が暮らしやすいまちを目指して、ユニバーサルデザインの普及促進に取り組んでおり、観光の面においても、障害の有無にかかわらず楽しめる環境の整備に向けた取組や啓発を行ってきました。
そのような中、視覚障害のある人にとっては、既存の観光施設の解説パンフレットや音声ガイドなどでは、観光施設の全体像をイメージすることが難しく、視覚障害のある人の観光は支援者等がコーディネートした観光コースをめぐる「受動的」なものになることが多いという課題を認識していたことから、「視覚障害のある人が観光施設などの全体像をイメージしながら充実感のある旅行体験をできる環境づくり」に向けて、企業の技術やアイデアを募集しました。
取組の内容
募集の結果、大平印刷株式会社(京都市伏見区)から提案があり、観光施設で活用可能な「点字触地図・音声ペン」の製作を行いました。
これは、観光施設の全体像を凸凹で表現する「点字触地図」と、触地図の紙面をタッチすると詳細な音声解説(日本語・英語)を聴くことができる音声ペンとを連携させたもので、視覚障害のある人にとっては観光施設の全体像の把握や観光体験の充実につながると想定したものです。
実証実験では、視覚障害者協会や観光事業者等の御協力のもと、世界文化遺産の二条城で効果検証を行い、他の観光施設への導入等、今後の展開の可能性を探りました。
結果、通常の施設マップのみの場合と比較して、全体像をイメージした主体的な観光に繋がるという効果を確認できた一方、持ち運びや使いやすさ、音声ガイドの内容等の更なる改善の課題も明らかになりました。
今後の展望
本実証実験で制作した「点字触地図・音声ペン」については、大平印刷株式会社において改良を進めるとともに、視覚障害のある人の観光をより充実させるツールの一つとして市のユニバーサルデザイン推進の活動の中で紹介していく予定です。
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