募集課題
消防団員の増加に向けたイベントのコラボ企画とタイアップ
担当課
京都市消防局消防団・自主防災推進室
採用企業等
株式会社エクスラント

京都市消防局消防団・自主防災推進室では、市民の消防団に対する認知度向上を図り、消防団員の増加および消防団活動の活性化を通じて、市民が安全安心に暮らせるまちづくりを推進しています。

消防団員は、防火防災啓発活動や訓練に加え、災害時には消防機関と連携して防御活動を実施するなど、地域防災の中核となる存在です。しかしながら、京都市の消防団員数は令和6年4月時点で約4,100名であり、定員4,970名に対して大きく不足している状況で、火災・風水害・震災時に市民の生活や生命を守る体制が十分とは言えません。

消防団員の増加を図るため、市では「京都市消防団フェスタ」をはじめ、各種イベントで入団促進活動を実施しているものの、特に若年層への認知度が低い現状です。また、イベントを企画運営する消防団員は、火災予防の広報活動、消防団装備の点検、様々な訓練、また地域行事への災害警備での参加など、多くの消防団活動があり、イベントの企画や実施の効果最大化に十分なリソースを割くことが難しい状況にあります。

そこで市は、消防団フェスタの会場やステージ企画など、イベントのあらゆるリソースを企業とタイアップすることで、来場者に効果的に訴求するコンテンツを創出し、効率的な運営体制を確立することを解決課題に設定しました。民間企業の技術やアイデアを募集したところ、株式会社エクスラント(所在地:大阪府大阪市中央区、代表取締役:福岡 征一郎)から下記のような解決策の提案があり、京都市として採用することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。

プロジェクトの概要

目的 市民の消防団に対する認知度向上を図り、消防団員の増加および消防団活動の活性化を通して、市民が安全安心に暮らせるまちづくりを推進する。
課題 令和6年4月時点における京都市の消防団員の充足率は82.9%に留まっている。イベント等で入団勧奨を実施しているが、人手不足から来場者に対して消防団の魅力を十分に発信できていない。
解決策 株式会社エクスラントと連携し、消防団フェスタにて子ども防火服着用コーナーでの撮影会を行い、来場者に対して消防団の魅力を効果的に訴求する。
成果 「第8回京都市消防団フェスタ」で子ども防火服着用コーナーでの撮影会を実施し、146組の撮影を行った。撮影待ちの来場者に対して消防団員募集用のLINEアカウント登録を呼びかけた結果、登録数が33名増加した。

プロジェクトのタイムライン

R6.6月にオンラインミーティング。R6.10月に対面による事業打合せ。R6.11月にイベント実施。R6.12月にイベント終了後の振り返り実施。クリックで拡大表示。

企業が提供した技術やアイデア

「第8回京都市消防団フェスタ」にて、SNSを活用したイベント広報及び子ども防火服着用コーナーでの撮影会を実施。スタジオ内に消防団の活動や地域安全を象徴する要素を取り入れ、参加者が消防団の活動に共感しやすい環境を整えた。

  • 撮影・運営スタッフ(カメラマン2名、撮影アシスタント1名、商品制作担当2名、誘導スタッフ2名、現場責任者1名)
  • 移動式フォトスタジオ車両を用意
  • 消防士の世界観を表現した背景セットの用意
  • 高品質なカメラ機材とストロボ機材による写真撮影
  • その場で印刷できるプリント機材を用いた印刷
  • 写真を入れる記念台紙の制作
  • 撮影した写真プリントの販売配布
キッズ消防団撮影会の様子。クリックで拡大表示。
キッズ消防団撮影会の様子

イベントの様子。クリックで拡大表示。イベントの様子。クリックで拡大表示。イベントの様子。クリックで拡大表示。

京都市が提供したサポート

  • イベント出展のための調整・コーディネート
  • 出展費用の調整
  • 子ども用防火服等の提供や着替えの支援
  • 報道発表やSNSでの発信等、広報面でのサポート

SNSと撮影イベント施策を活用した効果的な消防団PRを実施

京都市消防局消防団・自主防災推進室:中川

株式会社エクスラント様との連携により、消防団活動の効果的な認知度向上を図ることができました。

イベントでは、来場者が消防団の活動に親しみを持てるよう、子ども防火服の着用体験を提供し、プロカメラマンによる撮影サービスを実施しました。当日は146組の撮影を行い、撮影データは無料でダウンロードできるようにしました。撮影会の実施により、参加者が消防団活動を身近に感じられ、さらに家族や友人との写真共有を通じて周囲への認知拡大が期待されます。

また、撮影待ちの来場者に対し、消防団員募集用のLINEアカウント「おこしやす消防団」への友だち登録を呼びかけた結果、当日の登録者数が33名増加しました。LINEを活用することで、今後も継続的に情報発信が可能となり、消防団に興味を持った市民へ定期的なフォローアップができるようになります。

これまでの消防団フェスタは、イベント単発の広報活動に留まっていましたが、今回は撮影コーナーのハッシュタグ活用やSNSでの情報拡散を促進し、イベント終了後も継続的に消防団のPRが行える仕組みを構築しました。

今後も、連携企業のSNSマーケティングのノウハウを活用し、消防団関連イベントのPR施策を強化するとともに、来場者への入団促進を継続していきます。

民間企業として参加できる社会貢献活動が大きな誇りに

株式会社エクスラント 企画営業部 次長:鈴木 龍さん

株式会社エクスラント 企画営業部 次長:鈴木 龍さん。クリックで拡大表示。

当社では、フォトソリューション事業として、写真撮影から販売までをワンストップで提供し、集客向上につながるイベントの企画を行っています。

今回の実証事業では、子ども防火服着用コーナーに移動式フォトスタジオや撮影ブースを導入することにより、ファミリー層が楽しみながら消防団活動に触れてもらう環境を整えました。さらにSNS投稿キャンペーンを通じて参加者が自発的に情報を拡散する仕組みを作り、イベント参加者だけでなく、その周囲の人々にも消防団活動の重要性が伝わり、広範囲での認知度を向上させることを狙いとしています。

イベントを通して、消防団活動の重要性を広め、地域住民とのつながりを強化する貴重な機会を得ました。最大のメリットは、行政と企業が協力して消防団の情報発信や団員募集の効率化を行えた点です。京都市消防局の支援を受けながら、地域住民へのリーチを強化できました。

京都市との連携により、地域特性に応じたイベントを企画し消防団の重要性を住民に伝える機会を創出できたと感じています。 結果として、消防団員募集用のLINEアカウントの登録者数増加など、消防団の参加促進につなげることができました。

実証事業を通じて、フォトソリューションを活かした地域の安全活動に貢献でき、民間企業として社会貢献活動に参加できたことは、当社にとって大きな誇りとなりました。

成功事例を基に、地域安全・防災教育の支援拡大を検討

今回の連携により、自社の社会貢献活動としての新たな価値を見出すことができました。今後は、公民連携をさらに強化し、地域安全活動や防災教育の支援を拡大していきます。京都市での成功事例を基に、他の自治体とも連携を図り、より広範な社会貢献へとつなげることを目指しています。

また、デジタル化を推進し、オンラインでの写真販売システムやSNSを活用したコミュニケーションの強化も検討中です。これにより、イベント参加者との継続的な接点を確立し、地域活動へのさらなる関与を促進してまいります。

多くの企業や団体とコラボレーションを進め、地域社会の活性化に寄与する取り組みを模索中です。社会的意義のある活動を推進しながら、「社会全体にポジティブな影響を与える企業」として、地域社会に対して持続可能な価値を提供し続けてまいります。

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