募集課題
山科区の利便性の高さを活かした子育て応援トライアル(山科区への移住定住促進)
担当課
京都市山科区役所地域力推進室
採用企業等
株式会社和える

京都市山科区役所地域力推進室では、市内外の子育て世代に山科区のポテンシャルを実感してもらい、「子育て世代から選ばれるまち」としてのイメージ向上および移住定住の促進を目指しています。

山科区民宣言では「子ども・若者は『山科の宝』!」と掲げ、地域全体で子育てや子ども・若者の成長を支えるまちづくりを推進しています。山科区は交通の利便性が高く、電車や高速道路のアクセスが良好であることに加え、三方を山に囲まれた自然豊かな地域です。共働きの子育て世帯にとって理想的な住環境となっており、山科区では、若者・子育て世代が「京都で住みたい、学びたい、働きたい、子育てしたい」と思えるまちづくりを進めています。

しかし、民間企業が実施する「住みここちランキング」では他区と比較して評価が低く、特に子育て世帯が多い20代後半から30代の世代で、山科区から隣接する市への人口流出が続いているのが現状です。

子育て世帯向けの新たなサービスを提供することで、既存の子育て世帯が新たな子育て世帯を呼び込むような好循環を生み出し、山科区への移住定住を促進できるのではないか。そこで、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、株式会社 和える(所在地:京都市下京区、代表取締役:矢島里佳)から以下の提案があり、京都市として採用することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。

プロジェクトの概要

目的 市内外の子育て世帯に山科区のポテンシャルを実感してもらい、「子育て世代から選ばれるまち」としての山科区のイメージ向上及び移住定住の促進。
課題 優れた住環境を有しているにも関わらず、民間企業が実施している住みここちランキングでは他区と比べて評価が低く、子育て世帯が多い20代後半から30代にかけての区外転出が続いている。
解決策 株式会社 和えると連携し、子育て世帯向けの感性教育をテーマとしたイベントを提供することで、子育て世代の山科区への関心を高め、子育てしやすいまちとしてのポテンシャルを実感してもらう。
成果 「京の和ろうそく」や日本の伝統的な顔料である「べんがら」などを体験するワークショップを3月・4月に計2回実施し、21組43名の親子が参加。
参加者からは、「子どもと一緒に楽しめて、身近なところで伝統文化に触れられるのは嬉しい」「大人も学べることが多く、子どもも自由に参加できた」と盛況であった。ワークショップを通じ、親子で伝統産業に触れる機会を提供し、それを積極的にPRすることで、「文化・教育のまち」山科のイメージ醸成につながった。

プロジェクトのタイムライン

R5.8月からR5.10月まで打ち合わせ。R5.10月からR5.12月まで申請~採択。R6.3月からR6.4月まで実施・パブリックヒアリング。R6.5月にアンケートレポート。クリックで拡大表示。

企業が提供した技術やアイデア

連携事業として、親子向けワークショップイベント「京の和ろうそくでお誕生日会」を実施。以下内容のイベントを行った。

  1. 京の和ろうそくに火を灯し、日本の灯りを体験
  2. 日本の伝統的な天然顔料「べんがら」で手形・足形をとる作品づくり
  3. こけし、桜の木のはさみ、和紙のボールなど、職人の手仕事で作られた玩具で遊ぶ

事業推進のための人的リソース:事業責任者、事業推進員(プロジェクトマネージャー)、講師

イベントの様子。クリックで拡大表示。
イベントの様子

京都市が提供したサポート

  • 事業の実施場所として、区役所内のスペースを確保
  • 市民しんぶん山科区版や山科区公式アプリ(やましなプラス)を活用した周知活動
  • ターゲット層への周知・広報、地域や関係機関との調整

“感性が豊かになる街・山科区”のイメージづくりに寄与、企業のブランドイメージを前面に出した広報を検討中

山科区役所地域力推進室 企画担当 増井

株式会社和えるとの連携により、子育て世帯向けのイベントを実施し、行政主催の文化教育の取組に落とし込むことで、地域に根付いた形で定着を図りました。和えるとの協働事業が自然に区内へ溶け込む様子を対外的に発信することで、“感性が豊かになる街・山科区”というイメージの醸成に繋げています。

具体的には、「京の和ろうそく」や日本の伝統的な顔料である「べんがら」を体験するワークショップ、また、こけしや和紙のボールを使った遊びを通じ、地域の文化教育の向上を図るイベントを開催しました。これにより、文化教育を推進するまちとしての山科区の取組が、「社会的・経済的価値を創出する施策」の一環として寄与することが期待されます。

さらに、和えるのブランド価値及び情報発信力の強さから、山科区の新しいイメージを区外向けに定着させる高い訴求効果を見込んでいます。

今後は、ターゲットに応じた広報戦略を展開し、区内向け・区外向けで異なるアプローチを検討しています。

区内向けの施策では、区民の感覚に寄り添い、親しみやすいイベント名やコンセプトを設定することで、文化や伝統に自然に親しむ機会を提供していきます。一方、区外向けの発信では、和えるのブランドイメージを前面に出し、教育意識の高い層へ積極的にアプローチし、これにより、山科区のイメージ向上および移住定住の促進を目指します。

自治体との協業により信頼性向上、今後の事業発展のヒントを獲得

株式会社和える 企画担当:杉本さん

株式会社和える 企画担当:杉本さん。クリックで拡大表示。

当社では、『日本の伝統や文化は、人を優しくする力がある』『優しい人が増えると、社会がより美しくなる』という信念のもと、“0歳からの伝統ブランド aeru”を展開する他、日本の伝統を活かしたワークショップの企画・開催等を通じて、伝統の次世代継承に取り組んでいます。

教育事業“aeru school”では、感受性の豊かな乳幼児期に、自然の恵みを活かした職人の手仕事に触れることで「感じる心」を育むことを目的とし、子ども向けに伝統産業の体験機会を提供しています。

今回の連携事業により、山科区民の文化的感度を高め、地域のブランド価値向上に寄与すると考え、提案しました。さらに、当社としても企業理念である『日本の伝統を次世代につなぐ』ことを具現化し、より多くの方に伝統産業に触れる機会を提供できるようになります。また、公教育への事業展開の可能性が広がることも期待でき、持続可能な文化教育の発展に貢献できると考え、連携に至りました。

今回の実証事業では、山科区の広報支援により、ターゲットである0〜6歳の子育て世帯に対し、より確実なアプローチを実現できました。また、自治体との協業であるため信頼性の向上にも繋がっています。さらに、区役所の会場提供や費用支援により、参加者負担ゼロのイベントを実施できたことも、ターゲット層の参加促進と満足度につながったと感じています。

ワークショップイベントを通じて、山科区の課題とともに、参加者から直接フィードバックを得ることができ、今後の事業発展のヒントとなりました。

今後も、感性豊かな幼少期から日本の伝統に触れられる機会を創出し、より美しい社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

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