より利用しやすい企業間の人材交流の仕組みづくり
- 募集課題
- 副業・兼業をはじめとした企業間の担い手交流を促す仕組みづくり
- 担当課
- 京都市産業観光局産業企画室(ひと・しごと環境整備担当)
- 採用企業等
- 株式会社エンファクトリー
京都市産業観光局産業企画室では、『人材交流によって課題解決を図る仕組みづくり』を目指しています。
人生100年時代、本務を持ちながら、スキルや経験の獲得を通じた本業へのフィードバックの必要性、そして個人の成長における副業・兼業の需要は高まっています。人材交流によって経営課題の解決を意図する中小企業にとって、より柔軟でコストがかからず利用しやすい人材交流の仕組みが求められているのです。
そこで、「副業・兼業をはじめとした企業間の担い手交流を促す仕組みづくり」を解決したい課題に設定し、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、株式会社エンファクトリー(https://enfactory.co.jp/)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:加藤健太)から下記のような解決策の提案があり、京都市として採択することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。
※エンファクトリー社資料から抜粋
プロジェクトの概要
目的 | 企業の内部人材だけでは解決困難な課題について、他企業からの人材を活用して課題解決に臨みたい。 |
課題 | 人材交流によって経営課題の解決を意図する中小企業にとって、より柔軟でコストがかからず利用しやすい人材交流の仕組みが求められている。一方、本務を持ちながら、副業・兼業を希望する人材の数は増加している。 |
解決策 | ● 副業・兼業人材を生かした企業間のマッチングシステムの構築
● 期間、時間等を区切って問題解決を図るための人材交流の仕組みづくり |
成果 | ● 成立事例1件 |
プロジェクトのタイムライン
企業が提供した技術やアイデア
エンファクトリー社の提供サービス「複業留学」
https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
- 大手企業を中心に累計40社、200名以上の企業への越境学習を支援してきた実績
- 越境学習が送出・受入の双方にプラスになるよう一人一人にプログラムの伴走者をつける(事前面談と開始後の面談合計4時間程+週次レポートへのコメント)
- ピアラーニング(学習者が協力して学ぶ学習方法)の要素を取り入れた各種プロセスの提供(ミートアップ合計3時間)
※複業留学の説明会
京都市が提供したサポート
- 「担い手交流実践プログラム」(※)に送出企業または受入企業として登録している企業ネットワークをフィールドとして提供
- 「担い手交流実践プログラム」事業受託事業者(シンク・アンド・アクト(株))を紹介・連携して事業実施
- 副業・兼業セミナーを年間4回開催するなかで、エンファクトリー事業も紹介。利用促進を図る。
※担い手交流実践プログラムは、自治体として初めて、(公財)産業雇用安定センターと連携協定を締結して実施している(令和元年~)。「次世代リーダーレンタル移籍」(原則復帰)と「ミドル層インターンシップ」(原則移籍)といった、比較的長期間の出向・転籍を活用して地域企業の担い手確保を図る制度。
※en Factory複業留学ブログ
https://enfactory.co.jp/blog/tag/%e8%a4%87%e6%a5%ad%e7%95%99%e5%ad%a6
副業・兼業の一手段として定着を目指して連携を継続
産業観光局産業企画室:上田、林
令和元年から京都市で実施している「担い手交流実践プログラム」。その中でも「副業・兼業プログラム」は、株式会社エンファクトリーの「複業留学」との相性がよく、事業連携をスムーズに進めることができました。
副業・兼業は、働き方の多様化に伴って需要が高まっています。そんな中、今回の取組は、地域企業への副業・兼業人材活用の認知、機運の醸成に繋がったのではないかと感じています。
出向・転籍の活用にはハードルの高さを感じている地域企業に対して、もっと気軽に始めやすい副業・兼業を利用した担い手交流の機会を拡大できたことも大きな成果です。
今後は移住定住の前段階としての副業・兼業を、いわゆるお試しという形で利用していただくなど、副業・兼業の中の一手段として社会に定着していけるように、引き続き株式会社エンファクトリーと連携しながら、副業・兼業の一形態としての「複業留学」の活用を図っていきたいと思います。
人材育成、組織活性を支援する「複業留学」
株式会社エンファクトリー
企画担当:真木佑佳さん
株式会社エンファクトリーは、チーム型「複業」活動を通じて人材育成・組織活性を支援する越境型研修サービス「複業留学」を提供している会社です。
「複業留学」は、従業員が複業としてベンチャー企業で働くことで、越境的活動を促進します。
今回、「複業留学」の受入れ企業の募集、外部人材活用法の認知拡大を目指して、京都市と連携させていただきました。
外部人材活用のトライアルとして複業留学を取り入れていただき、副業・兼業人材の普及、京都市企業の活性化、イノベーションの実現に繋がるようにと取組をスタートしました。
京都市と連携した結果、当社だけでは開拓することができなかった京都市の受入れ企業が6社増加するに至りました。また、京都市でのセミナー実施によって認知拡大にも繋がったと思います。
選択の幅を広げ、副業・兼業の第一歩に
京都の歴史ある企業がこれまでの歴史や伝統を大切にしながらも、今の時代に向けて変わっていきたいという想いで、複業留学の受入れ企業へ応募していただきました。
歴史や伝統がある企業は、これまで当社での受け入れ企業として多かったベンチャー企業やスタートアップ企業とは違った課題があり、研修生へ提供する受け入れ企業の選択肢の幅を広げることができました。
今後は、幹部候補や女性、ミドルシニアなど、多様な人材の流動化を目指していこうと考えています。また、大企業と中小企業間だけでなく、中小企業間での課題解決にも寄与できるように、引き続き市と連携しながら、副業・兼業の可能性を探っていきたいです。
越境学習のプログラムでは、”目的を限定したプログラム”や”ライトなプログラム”などを準備し、越境学習が社会にとってより身近なものになるようにしたいと考えています。副業・兼業の可能性を信じて、「越境をみんなのもとへ」届けていきたいです。
複業留学が自分自身の可能性を考える一つのきっかけとなり、モチベーション高く本業に取組んでいただく波が組織全体へ波及していくことを目指して、当社は今後も活動を続けていきます。
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