募集課題
より一層分かりやすい館内案内
担当課
京都市文化市民局文化芸術都市推進室美術館総務課
採用企業等
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社

京都市京セラ美術館(京都市文化市民局美術館総務課)では、『お客様がよりスムーズに移動できる館内案内』を目指しています。

京都市美術館は、公立美術館として日本で現存する最古の建築です。2018年から2019年にかけて行われた大規模改修後は「京都市京セラ美術館」としてリニューアルしました。

リニューアル後は、エントランスが複数に増えたことでパブリックスペースの意味合いも兼ね備えた施設となり、館内を鑑賞目的でなく、建物を楽しまれる方が増加しました。一方で、メインエントランスが地下1階になったこと、そして複数の展覧会を同時に開催していることで、移動に迷われている方も見受けられます。

分かりやすい館内案内に向け、サインの追加を行うことで改善を図ってきましたが、サインが多くなることで逆に分かりにくくなることや、サインの設置により美術館の景観を損なってしまう、という課題もありました。

そこで、「お客様がよりスムーズに移動できる館内案内」を解決したい課題に設定し、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:中野 隆雅)から解決策の提案があり、京都市として採択することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。

プロジェクトの概要

目的 既存のサインに変わり、館内の配置・状況などを直感的にわかるような仕組みを構築し、初めて来館された方でも、迷わず展示室等に行くことができるようになる。
課題 分かりやすい館内案内に向け、サインの追加を随時改善しているところであるが、サインが増えることで逆に分かりにくくなることや、サインの設置によりパブリックスペースが狭雑化する可能性がある。
解決策 歴史的価値の高い意匠を守りながら、先進的な技術等を活用した直観的で分かりやすい館内案内を、案内標記やツールの導入を活用し実現する。
成果 ・現地スタッフの協力により、多くの来館者に見ていただくことができた。

・公共の文化施設で運用することにより、これまで導入を進めてきた領域と異なる分野での意見やコンテンツ案、ノウハウを得られた。

・京都市左京区役所での実証実験のお話をいただくことができた。

 

プロジェクトのタイムライン

企業が提供した技術やアイデア

  • てらすガイド 2台:プロジェクションマッピングによる案内誘導
  • METENA   2台:アバター型AIチャットボットによる館内案内、誘導、Q&A

※「てらすガイド」による案内誘導

※METENAによるアバター型AIチャットボットの館内案内

 

京都市が提供したサポート

  • 美術館内における設備
  • フォーマットの入力、確認作業

実証実験によりデジタル化だけでは解決できない課題が見えた

京都市文化市民局美術館総務課:徳井

他の美術館ではない取組であったこともあり、来館者の中には実際に機器を見たり触れたりする方がいた一方で、残念ながら視界に入らない方には気づいていただけないこともありました。

館の案内は複雑でかつ流動的で館内の展覧会全てを機器に反映できず、結果的に案内スタッフに尋ねる方も多かったため、スタッフを削減するには至らず、館内で迷いやすいご高齢の方にはお役立ていただけないこともありました。

一方で、チャットボットを実際に使ってみた方からは「分かりやすかった」とのお声をいただきました。

サインをデジタル化することは初の試みであったため、「デジタル化により案内がしやすいもの」と、「スタッフによる柔軟な案内が必要なもの」のそれぞれを明確化する良い機会になったと思います。

ターゲットを絞り、需要にマッチしたサインを検討していくことが重要であると認識できたため、まずは解決したいターゲット層の選定や、デジタル化の要否を明確に整理することで、それぞれに合わせた案内表示を検討していく必要があると感じました。

歴史的価値を守りながら館内案内をDX化する

三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社

DXソリューション営業部 次長・中島 功さん

※三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社の皆さま

当社ではAI、IoT、5Gといった成長分野にて、「自社DXの推進」と「お客様DXの推進ご支援」2つのDX化に取り組んでいます。今回京都市と連携し、「京都市京セラ美術館」の館内案内をデジタル化し、より分かりやすい案内、誘導の形をつくるための取り組みを提案させていただきました。

当社で開発している、プロジェクションマッピングによる案内誘導ができる「てらすガイド」と、アバター型AIチャットボットによる案内、誘導ができる「METENA」を導入し、館内案内のデジタル化を試みました。

現地スタッフの協力により多くの来館者に見ていただき、商品の知名度向上を図ることができました。

また、美術館に設置したことで、京都市左京区役所での実証実験のお話もいただき、次へとつなげることができました。

全国の公共・文化施設の案内誘導改善に向けて

市営の美術館といった公共の文化施設で運用することにより、これまで導入を進めてきた領域と異なる分野での意見やコンテンツ案、ノウハウを得られました。

全国には、公共施設や文化施設が多くあるため、館内案内が分かりづらい、施設に合った案内、誘導の形を導入したいといったニーズも多くあるのではないかと思っています。

本取組を多くの方々の目に触れていただき、京都市を始めとする全国の公共・文化施設における案内誘導・ユーザの動線を改善し、利用ユーザの満足度向上に繋げることで、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えています。

 

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