募集課題
モノの「所有」から「共有」へ価値観の転換を目指す、家具及び家電のリース・レンタル
担当課
京都市環境政策局循環型社会推進部資源循環推進課
採用企業等
株式会社クラス

京都市環境政策局資源循環推進課では、ごみの減量及びリサイクルの促進を通じて『持続可能な循環型社会の実現』を目指しています。

ごみの減量は大きな社会課題です。特に大型ごみについては、学生や単身赴任者によって短期間使用で廃棄される家具家電の問題や、省エネ性能の低い古い家電を長期間使用することによる電力消費の問題、手続きや運搬の面倒さから処分されずに保管されている家電の災害時の廃棄物問題など、さまざまな問題が存在します。

家具や家電は、必要性や耐用年数と比べて、長くも短くもなく適切な期間使われ、最終的にリサイクルされることが、ごみの発生を抑制するとともに、資源循環や省エネ化を促進することにつながります。

そこで京都市では、『モノの「所有」から「共有」へ価値観の転換を目指す、家具及び家電のリース・レンタル』を解決したい課題に設定し、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、株式会社クラス(所在地:東京都目黒区、代表取締役社長 :久保 裕丈)から下記のような解決策の提案があり、京都市として採択することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。

プロジェクトの概要

 

目的 ● 家具・家電のリース・レンタルを通じて、モノの「所有」から「共有」へライフスタイルの転換を図る。

● ごみの発生を抑制し、資源循環及び省エネ化が進んでいる状態の実現を目指す。

課題 家具・家電について、市民等が必要な期間だけ利用し、不用になれば別の市民等が使える状態にするための仕組みを構築すること。
解決策 株式会社クラスの提案する「家具・家電のレンタルサブスクリプションサービス」の利用を促進するための、ビジネスモデルの構築及び啓発活動。
成果 モノの「所有」から「共有」へのライフスタイルの転換を促す具体的なサービスの利用機会を市民に提供。利用者は右肩上がりに推移し、法人からの問い合わせも300件を超えた。

プロジェクトのタイムライン

企業が提供した技術やアイデア

京都市民向け家具・家電のレンタルサブスクリプションサービス「CLAS(クラス)」

  • 京都市内の市民、事業者、学生を対象としたキャンペーン(初月の利用価格を通常より50%割引)の実施。
  • 上記を実施するためのサービスサイトの拡充。

※サービスサイトのTOPページ

市民・事業者向けの啓発活動

  • 「エシカル消費」をテーマにした京都市「梅小路公園フェスティバル2022」に出席し対談を実施。
  • 京都市主催のイベントに2度登壇。
  • 京都リサーチパーク代表とクラス社代表とで京都市の魅力を語る対談を実施。
  • 第3回京都市中小企業脱炭素経営セミナーに登壇。
  • その他、自社主催のウェビナーなどを実施。

※サービスの周知に用いたチラシ

京都市が提供したサポート

  • 市内の事業所に対してサービスの紹介。
  • 市内の大学生向けアプリ「KYO-DENT」利用者、及び大学メーリングリストに向けたサービスの案内。
  • 本庁舎、分庁舎をはじめとした市内各所にポスターやチラシを配架。

今後も啓発等を継続

京都市環境政策局資源循環推進課:中村、野村

京都市がかねてから注力してきた「2R(リデュース:発生抑制、リユース:再使用)では、近年、民間事業者による様々な形態のビジネスモデルが生まれています。今回は、2R型ビジネスモデルのひとつ、「シェアリング」に取り組みたいと考え、クラス社と連携しました。

連携の結果、市民や事業者の皆様に「モノは所有から共有」という考え方を浸透させることにつながる、具体的なサービスの利用機会を提供できました。現在も持続可能な循環型社会の実現に向けて啓発を続けています。

クラス社とは引き続き情報交換を行っており、利用者からの反響などを伺いながら、2Rの一層の推進に向けた課題の検討などを進めていく予定です。

「モノの共有が当たり前」の文化形成に向けて

株式会社クラス

アライアンス担当:小林信哉さん

当社では「“暮らす”を自由に、軽やかに」をビジョンに掲げ、個人と法人のお客様に向け、1点から月額制で利用できる家具・家電のレンタルサブスクリプションサービスを展開しています。今回、KYOTO CITY OPEN LABOに提案した理由は、担当部門の方がお考えになっているサービサイジングの概念に感銘を受けたからです。

当社としても、家具・家電の共有を行うことでCO2排出量を抑制するとともに「モノの共有が当たり前の文化」を定着させ、「所有しない利用」と「持たない、捨てない社会」を実現したいと考えていました。そこで採択後、約1年間にわたり、京都市内で精力的に活動をさせていただきました。

取組中は、広報資料等での紹介や各種補助事業の採択などを通じて、担当課をはじめとする、京都市全体から大きな支援を得られました。

KYOTO CITY OPEN LABOでの採択後、京都市内の利用者(人・事業者)は約1年で倍増し、令和5年末時点ではそこから更に倍増している状況で、当社や当社サービスの認知拡大につながっていると実感しています。

京都をエリア拠点に事業を拡大

今回の取組を進める中、産業観光局の「企業立地促進制度補助金(市内初進出支援制度)」に指定いただき、当社初のエリア拠点のオフィスを京都市内に開設することができました。今後はこのエリア拠点を中心に、京都市内にて事業規模の拡大を目指したいと考えています。

KYOTO CITY OPEN LABOの取り組み自体は令和5年3月に終了しましたが、その後も市民向けの特典サービスは継続中です。加えて、当社では不動産ビジネスをサポートするステージング(モデルルーム)事業も展開しています。京都という立地を活かし、「京まちや」などをキーワードにこれを推進したいと考えています。

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