課題のポイント

実現したい未来

地域コミュニティや住み心地といった、現在指標化されておらず、体験でしか納得しづらい価値基準で住宅を選択することにより、地域と関わる居住者が増加する

現状

東山区(京都市)に住むということに対するイメージが乏しく、価格や立地、住宅の設備といった通常の価値基準では利点が少ないことから、東山区を居住地とすることにハードルがある

解決したい課題

東山区内で生活することの実情の体感や不安解消を行うために、短期から中期での「お試し居住」の機会を提供する。

想定する解決策

  • ゲストハウス等を利用したお試し居住の実施
  • 区内複数の拠点で連携し、地域ごとに住む人物像に適した居住プログラムを提供
  • 各地域の居住の入り口の施設として、地域に溶け込むゲストハウス等となる。
  • お試し居住をビジネスモデルとして他のゲストハウス等に広げ、地域との関わり方を指南する仕組みを作る。

民間組織側の想定メリット

  • 行政と共同で行っているという担保ができる。
  • 居住プログラムの企画の立案にあたっては、区役所がもつ地域とのつながりを活用できる。
  • 複数の事業者と連携して、新たな顧客の創出を図ることができる。
  • 地域との関係性が一層構築される。

Story

瓦屋根の並ぶ街並みの中に立つ八坂の塔

山紫水明の都 東山と区内の人口減少

東山区は、南北は三条通周辺から十条通周辺まで、東西は鴨川と東山連峰にはさまれた、京都市でも有数の歴史と文化を誇る地域です。区内には、世界文化遺産である清水寺をはじめとした名所旧跡、美しいまち並みや文化を受け継ぐ花街があり、また祇園のような繁華街もあります。南部の地域には陶芸をはじめとするものづくりの職人たちが軒を連ね、また、琵琶湖疏水を運河として利用していた頃から工業も発展しています。南北に長いその地理的要因もあり、区内の面積以上に様々な顔を見せる魅力的なまちです。
世界有数の観光地として知られる東山区ですが、同時に避け難い問題も抱えてきました。現在、京都市にある11行政区のうち、もっとも人口減少が激しいのが東山区です。数十年にわたる人口の減少により、高齢化率、空き家率でも高い割合を示しています。

人口減少の背景には、「東山区は観光地であり、住宅地ではない」といったイメージがあるようです。また、「古くからある土地の繋がりに、新参者は入っていくことができないのではないか」、という不安もあるようです。観光地であるがゆえに不動産価格が相対的に高くなり手が届きにくいという課題も抱えています。他地域からの流入人口を増やすためには、こういった固定観念を払拭し課題を乗り越え、「観光地」という一時的な来訪先ではなく「定住するまち」としての東山区についての魅力を広めていく必要があります。

「お試し居住」とゲストハウス等

近年、IターンやUターンによる人口還流を模索する自治体などでは、「お試し居住」という制度を採用しているところがあります。移住・定住を検討している方々に、一時的にその地域の住民になることで、その地域に住む人々や周りの環境を体験する機会を提供する試みです。

「お試し居住」の先行事例では、お試し用の住居を用意することもありますが、既存のゲストハウスを利用するケースもあります。幸いにも、古くからの観光地である東山区には、旅人の宿として、文化の接点として、長く活動を続けてこられたゲストハウスが多数あります。
また、区内の空き家や共同住宅の空き室も、見方を変えれば、実際の生活を体験するフィールドとしての可能性を秘めています。
東山区という京都でも有数の観光地に暮らすことを、具体的に想像できる人は多くはありません。住んでみて、地域と関わってみてはじめて見えてくる東山区の魅力を、一時滞在を通して伝えること。地域によってさまざまな文化と魅力を有する東山区を知ってもらうために、地域に広く存在するゲストハウス等の皆さんに、ぜひ御協力をお願いしたいと考えています。

ゲストハウス等の皆さんには、お試し居住を検討している方々への、生活の場の提供と地域に溶け込むことができる企画等の仕組みづくりをお願いします。広報や企画検討は、東山区の区役所職員が共に行います。官民一体となってのお試し居住の実施を目指します。

お試し住宅イメージ写真

求められる工夫

「お試し居住」は、観光ではありません。近所の食料品店で買い物をしたり、自治体のルールに沿ってごみを出したりするような、地域での生活の体験です。それらを通じた東山区の文化的空間と地域コミュニティの体験こそが東山区に住むうえでの魅力の体感であり、価格や利便性等の従来の目に見える居住地選びでは知り得ないポイントです。また、昔から住んでいる人と話す機会や、最近住み始めた人の意見を聞ける仕組み等をつくることで、「東山区に住む」ということをきちんと検討できるようにすることも求められます。

また、地域ごとのそれぞれの魅力を生かすためにも、東山区の全域のゲストハウス等に関心を持っていただきたいと考えています。それぞれの地域で、ゲストハウス等周辺の地域性を取り入れた企画を行い、居住を検討している方と地域のよりよいマッチングを目指す必要があります。

目指すのはまちの未来を作ること

今回のお試し居住の実証実験は、東山区の住民を増やすいくつかの試みのうちの一つです。お試し居住を通じて、東山区での居住を検討する人を増やすことが目的ですが、この実証実験を通じて、今後の新しい企画の在り方の検討も行っていくものでもあります。

「東山・まち・みらい計画 2025(第3期計画)」で掲げるまちづくりの理念は次のとおりです。

高い誇りをもって、「守るべきことは頑なに保守」し、
鋭敏な感性で、「変えるときは大胆に変革」し、
培ってきた知恵で、「時勢に応じて創造」すること

東山区は歴史のあるまちです。一方で、東山区をかたちづくる地域の方々は、伝統を踏まえつつ新しいものを取り入れ、このまちを発展させてきました。伝統と革新が息づくまち東山区の、未来を一緒に考えてくださる皆さんの御参加をお待ちしております。

インタビューを受ける担当者

 

募集概要

担当課

京都市東山区役所地域力推進室

担当部署の事業の概要

区内の人口流出を抑制し、流入人口を増加させるため、区民・事業者・行政がそれぞれの持ち味を生かしながら連携し、移住意欲や定住意欲を喚起する方策の検討を進め、持続可能な定住促進の取組に繋がるよう、新たな住環境や活力の創出を図っている。

背景

東山区は観光地として広く知られ、住む場所ではないというイメージが強いこともあり、人口流出が続き、新たな移住者が求められている。また、密な地域コミュニティに対する不安により選択されづらい現状や価格や立地、住宅の設備等がニーズに合っていない。

実現したい未来

住宅地と住宅の選択に、地域コミュニティや住み心地といった、現在指標化されておらず、体験でしか納得しづらい価値基準で住宅を選択することにより、地域と関わる居住者が増加する。

現状

東山区(京都市)に住むということに対するイメージが乏しく、住居を選択する時に通常、価格や立地、住宅の設備に価値基準を置くため、コミュニティなどの地域の状況に価値基準を置けないこと、通常の価値基準では利点が少ないことから、東山区を居住地とすることにハードルがある。

検討経緯・これまでに実施したことがある施策等
  • ゲストハウス数の統計調査やヒアリングを行った。
  • 区役所内の施策検討会で事業用途を含めることによる持続的な空き家活用の試住施策提案が挙がった。
解決したい課題

東山区内で生活することの実情の体感や不安解消を行うために、短期から中期での「お試し居住」の機会を提供する。

想定する解決策
  • ゲストハウス等を利用したお試し居住の実施
  • 区内複数の拠点で連携し、地域ごとに住む人物像に適した居住プログラム(地域と関わる機会や地域を知る機会)を提供する。
  • 各地域の居住の入り口の施設であると地域に認識され、地域に溶け込むゲストハウス等となる。
  • お試し居住をビジネスモデルとして他のゲストハウス等に広げ、地域との関わり方を指南する仕組みを作る。
民間組織側の想定メリット
  • 行政と共同で行っているという担保ができる。
  • 居住プログラム(地域と関わる機会や地域を知る機会)の企画の立案にあたっては、区役所がもつ地域とのつながりを活用することも可能。
  • 複数の事業者と連携して、新たな顧客の創出を図ることができる。
  • 地域との関係性が一層構築される。
提案企業に求める専門性
  • 事業者同士の連携と、居住プログラム(地域と関わる機会や地域を知る機会)の企画・実行
  • ターゲットとなる層への広報周知
提供可能なデータ・環境等
  • 人口動態、不動産動態や生活利便施設の統計データとターゲットとなる層の仮説データ
  • 区の広報ツール(市政広報版等の使用)の利用や京都市東京事務所を通じた東京方面への広報
スケジュール感・主要なマイルストン
  • 令和4年度内に実証実験実施。
  • 令和5年度に連携事業者のさらなる拡大や募集のシステムの構築
事業実施にあたっての留意点、制約等
  • 地域ごとに居住に繋がる可能性のあるターゲットを絞る。
  • 複数の事業者と連携をし、それを拡大する展望を持つことが望ましい。
参考情報

東山区基本計画「東山・まち・みらい計画 2025」

今後の展開想定

複数の事業者がそれぞれの特徴を活かしながら連携し、「お試し居住」認知度を高めることによりさらなる相乗効果を図る。

提案の提出期限 2022年9月12日〜9月28日

この課題の募集は終了しました

一覧へ戻る