課題のポイント

実現したい未来

みんなが気持ちよく、安全にそして楽しく歩ける地下通路、空間へ ⇒「通り抜けるだけの空間」から「目的地」となり得る空間への転換

現状

四条通地下道において、写真展やパネル展など作品発表の場を提供することで一定評価を得てきましたが、まだまだ単発のイベント実施にとどまっており、テーマ性を持たせた活用や、ブランディング(例えば「現代アートの発信の場」と位置付けての事業実施、情報発信など)ができていない状況

解決したい課題

  • 民間団体との事業実施協力体制の構築
  • 地下道で事業を実施しやすくするための環境整備、ルールや仕組み作り

上記について各種団体、民間企業等から御提案をいただき、四条通地下道の更なる賑わいの創出を目指したいと考えています。

想定する解決策

  • 本市と共に四条通地下道活性化事業に主体的に取組んでもらえる団体、民間企業との連携(事業の企画・運営、アーティストの支援、空間デザインの提案など)
  • 写真展及びパネル展以外の新たな事業実施案の提案及び事業実施(新技術を使ったアート展示、映像・音楽を使ったアートなど)

民間組織側の想定メリット

  • 事業実施者の負担軽減のため、必要な関係機関との協議・調整、申請手続きについては歩くまち京都推進室が実施する
  • 四条通地下道活性化事業に位置付けることができる場合には、道路二次占用料が不要となるため、通常よりも低コストでの事業実施が可能
  • 多くの人の目に触れる場所での事業実施により、社会的認知の向上が図れる

Story

地下道の写真。広い空間の向こうに柱が並んでいる通路が見える

「歩くまち・京都」と四条通の変身

京都市では、「人が主役の魅力あるまちづくり」を推進し、人と公共交通優先 の「歩くまち・京都」の実現を目指すため、2010年に「歩くまち・京都」総合交通戦略を策定しました。

この取り組みの中でも、京都のまちにとりわけ大きな変化をもたらしたものが、 京都有数の繁華街、四条通の歩道拡幅事業です。2015年に完成したこの事業によって歩きやすくなった四条通の姿は、これまでの「車」中心の社会から、「歩く」ことを中心としたまちと暮らしへの転換を、強く印象付けるものとなりました。

取り残された地下空間

1963年に開通した四条通地下道は、四条通の中心である烏丸通から木屋町通まで の約1,100mをつなぐ、歩行者のための空間です。これまで京都市民は、混雑する地上を避け目的地へと効率的に通り抜けるための補助的な通路として、この地下道を利用してきました。

四条通の地上部分は大きく変化した一方で、地下道は「ただ通り抜けるだけ」の空間として取り残され、四条通の真下にありながら、そのポテンシャルを活かしきれていないのが現状です。
この状況を改善し、地下道を「通り抜けるだけ」の空間から「目的地」となり得るような魅力のある空間に転換させたい。そんな思いで京都市・地元商店街・阪急電鉄が連携して取り組んでいるのが「四条通地下道活性化事業」です。

京都のまちにふさわしい地下道へ

四条通地下道活性化事業は、四条通地下道において京都のまちにふさわしい文化的事業を展開することによって、無機質な空間から賑わいのある空間への転換を目指す事業です。

平成30年度からは、四条通地下道のうち、堺町通から御幸町通の間の300mほどの空間を「文化的活用エリア」として、壁面や柱を利用した展示物の掲示などを行なってきました。

四条通地下道略図。中央の10番出口から14番出口あたりまでが矢印で「文化的活用エリア」とされている。
四条通地下道略図

明治150年記念・みんなの写真展〜四条地下道タイムトンネル〜(2018年)、祇園祭創始1150年記念「市民公募写真展」(2019年)、コロナと戦う人々の肖像写真展「マスク時代の肖像」(2020年)等々。こういった写真展やパネル展は一定の評価を得てきましたが、散発的な開催にとどまっているのが現状です。

今回の実証実験では、単発のイベント実施でなく、継続的な地下道の活用による、テーマ性や場所としてのブランディングに踏み込んだ取り組みを進めたいと考えています。映像や音楽、新技術を使ったアート展示など、楽しく柔軟なアイデアを取り入れ、通り抜けるだけの空間から、いつでも気持ちよく、安全に楽しく歩ける空間になることを希望します。

通路に並ぶ柱を利用した写真展示のようす。四角い柱の各面に額装された写真がかけられている。
コロナと戦う人々の肖像写真展「マスク時代の肖像」

地下道活用の利点と課題

通常、道路等の公共の場に展示をするためには、関係各所への使用許可申請が必要なので、イベントを実施する際には事前の準備と調整が大変です。しかし、四条通地下道での展示の場合、関係各所との協議、調整は京都市が行いますので、通常よりも少ない労力、コストでの事業実施が可能になります。

もちろん、公共の通路という性質上、一定の配慮は必要になりますし、歩行者の安全確保は最優先にしなければなりません。 また、もともと歩行空間として設計されている四条通地下道は、使用するにあたってさまざまな使用上の制約があります(※下表 「事業実施にあたっての留意点、制約等」参照)。

地下道を従来の用途を超えて魅力的な空間へと転換していくためには、現状を検証しながら、時間をかけて環境や仕組みを整えていかなければなりません。

今回の実証実験では、四条通地下道をアート空間として捉え、全体のディレクションやブランディングを行っていただける方、事業を通して今後のさらなる賑わいの創出に向けて環境や仕組みを整えるための課題の抽出を共に行っていただける方の参加を期待します。

四条通地下道をより多くの人に積極的に利用していただけるように、市民が歩きやすく、歩きたいと思える空間づくりができるご提案をお待ちしております。

インタビューを受ける担当者たち。目元に笑みが浮かんでいる。

募集概要

担当課

京都市都市計画局歩くまち京都推進室

担当部署の事業の概要

「歩くまち・京都」総合交通戦略の推進、総合的な交通体系に係る調査・研究・計画及び公共交通の利用の促進、まちなかの賑わい創出など

背景

四条通地下道は京都随一の繁華街の真下という一等地にありながらこれまでは「単に通り抜けるだけの空間」となっていました。この状況を改善するため、地元や阪急電鉄と連携し、四条通地下道において、まずは文化的な事業を中心に展開することによって、無機質な空間から歩いて楽しい空間への転換を目指しています

実現したい未来

みんなが気持ちよく、安全にそして楽しく歩ける地下通路、空間へ ⇒「通り抜けるだけの空間」から「目的地」となり得る空間への転換

現状

四条通地下道において、写真展やパネル展など作品発表の場を提供することで一定評価を得てきましたが、まだまだ単発のイベント実施にとどまっており、テーマ性を持たせた活用や、ブランディング(例えば「現代アートの発信の場」と位置付けての事業実施、情報発信など)ができていない状況

検討経緯・これまでに実施したことがある施策等
  • 四条通地下道の有効活用策について、京都大学と連携してアーティストを支援する立場にある京都市立芸術大学、京都芸術大学や実際に地下空間を管理、運営されているエリアマネジメント団体等にヒアリングを実施済み。
  • 柱や壁面を活用した写真展やアート展を平成30年度から毎年実施
解決したい課題
  • 民間団体との事業実施協力体制の構築
  • 地下道で事業を実施しやすくするための環境整備、ルールや仕組み作り

上記について各種団体、民間企業等から御提案をいただき、四条通地下道の更なる賑わいの創出を目指したいと考えています。

想定する解決策
  • 本市と共に四条通地下道活性化事業に主体的に取組んでもらえる団体、民間企業との連携(事業の企画・運営、アーティストの支援、空間デザインの提案など)
  • 写真展及びパネル展以外の新たな事業実施案の提案及び事業実施(新技術を使ったアート展示、映像・音楽を使ったアートなど)
民間組織側の想定メリット
  • 事業実施者の負担を軽減するため、四条通地下道で事業を行う際に必要な関係機関との協議・調整、申請手続きについては歩くまち京都推進室が行います。
  • 四条通地下道活性化事業に位置付けることができる場合には、道路二次占用料が不要となるため、通常よりも低コストでの事業実施が可能です。
  • 四条通地下道という多くの人の目に触れる場所での事業実施により、社会的認知の向上が図れます。
提案企業に求める専門性
  • 四条通地下道の賑わい創出に向けて、楽しく柔軟にアイデア出しをしていただける方
  • 四条通地下道をアート空間として捉え、全体のディレクションやブランディングを行っていただける方
提供可能なデータ・環境等
  • これまで四条通地下道で実施した事業一覧
  • 利用可能な地下道の位置図
スケジュール感・主要なマイルストン

令和3年度内に事業実施又は制度設計(地下道活用方針の策定や地下道で事業を実施しやすいルールや仕組み作りなど)

事業実施にあたっての留意点、制約等
  • 四条通地下道には資機材の搬入出に必要なエレベーターや、水道、空調、排煙、排水、電源、放送設備、トイレ、駐車場、備品の保管場所等の設備がありません。
  • 火気は使用できません。
参考情報

四条通地下道活性化事業プレゼン資料(PDF形式, 8.4MB)

今後の展開想定
  • 公共空間の価値、快適さ、魅力を高め、四条通地下道をより良い空間にしていくため、各種団体、民間企業等から御提案いただいたアイデアや技術を積極的に取り入れつつ、アート展や写真展以外の新たな事業に挑戦していきます。
  • また、歩行者の安全確保を最優先にした上で、地下道で事業を実施しやすくするためのルールや仕組み作りを検討していきます。
提案の提出期限 2021年10月25日〜11月15日

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