課題のポイント
実現したい未来
特定の建築物、工作物、照明、広告物等の計画に対し、専門的な技術を持たない市民や行政職員でも景観形成への影響の検討、議論、提案がリアルタイムで行える。
現状
設計者やデザイナーが作成した建築物等の図面やパースをもとに、景観への影響を検証している。
専門家による審議会や地域住民等による協議会では、設計者等が作成した資料をもとに景観について、口頭で議論するため、イメージの正確な共有が難しく、効率的・効果的な議論ができていない(手間や時間を要する)。
※上記の事象は、デザイン分野の議論では一般的なものであり、このこと自体が問題視されている状況にはないが、市民一人ひとりのまちづくりへの参画を進めるうえでの潜在的な課題であると考えている。
解決したい課題
専門的な技術を持たない市民や行政職員が簡易的に都市景観のデザインシミュレーションができるようになり、かつ、デザインに精通した者がより簡易にイメージを可視化できるようになること。
想定する解決策
現時点で想定しきれていない様々な解決策を期待するところではあるが、下記のような手法が実現できると非常の有効であると考える。
<一例>
●「3D都市モデル(plateau、ArcGISなど)や3D建築モデル(3DCAD等)又はパース等とAI画像生成ツールの機能を用いた手法」
設計者が作成した3D建築モデル(CAD等で作成したもの)を3D都市モデルに合成したデータを元に、3Dモデルやパースの簡単な修正(位置、形状、色彩の変更など)や照明等の検討を、AI機能を用いて文章や口頭により指示できるツールが開発できれば、簡易に景観シミュレーションが行えるようになるのではないか。
民間組織側の想定メリット
●ツールの商用展開が可能。
一般人でもデザインシミュレーションを行えるツールがあれば、視覚によるイメージ共有を即座に行えることようになり、これまでデザイン決定までに要していた行政協議、社内協議、施主へのプレゼンなどの時間が大幅に短縮できる。例えば、3回のデザインに関する行政協議を行う場合、作業期間を含めれば2か月程度の時間を要することもあるが、これが2回で済む場合、約1か月の期間短縮が可能になる。
○行政計画における活用(自治体)
・3Dによる都市景観のシミュレーションを用いた景観計画の検証が可能となる
○デザイン協議やプレゼンテーションへの活用
・設計者が施主とイメージ共有を行う際(デザインの提案など)、施主のイメージを汲み取りやすくなる。
○景観形成だけでなく幅広い分野での活用余地
・景観や都市計画に関する教育(総合学習や専門教育等)やデザイン領域の教育に活用可能であると推察される。その他にも交通や商業、観光など幅広い分野での転用の余地が見込めるのではないか。
募集概要
担当課 | 京都市都市計画局都市景観部景観政策課 |
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担当部署の事業の概要 | 京都の優れた景観を保全・再生・創造していくため、建築物のデザインコード等による規制、優れたデザインを誘導するための専門家協議制度、地域の特性を反映させた景観づくりを促進させる協議会制度などにより景観形成の推進を図っている。 |
背景 | 京都らしい景観形成の推進 |
実現したい未来 | 特定の建築物、工作物、照明、広告物等の計画に対し、専門的な技術を持たない市民や行政職員でも景観形成への影響の検討、議論、提案がリアルタイムで行える。 |
現状 | 設計者やデザイナーが作成した建築物等の図面やパースをもとに、景観への影響を検証している。 |
検討経緯・これまでに実施したことがある施策等 | 本件は新規事業であるため、直接的な関係を有する事業はないが、関連する取組みは以下のとおり。 |
解決したい課題 | 専門的な技術を持たない市民や行政職員が簡易的に都市景観のデザインシミュレーションができるようになり、かつ、デザインに精通した者がより簡易にイメージを可視化できるようになること。 |
想定する解決策 | 現時点で想定しきれていない様々な解決策を期待するところではあるが、下記のような手法が実現できると非常の有効であると考える。 |
民間組織側の想定メリット | ●ツールの商用展開が可能。 |
提案企業に求める専門性 | <必要技能> |
提供可能なデータ・環境等 | ・Plateau 市内都市モデル(CityGML形式) |
スケジュール感・主要なマイルストン | 新規の事業であるため、既定のスケジュールやマイルストンはなし。 |
事業実施にあたっての留意点、制約等 | 現時点で行政サイドでは想定していない様々な課題解決策がありえるとも考えており、緩いアイデアの段階でも気軽にご相談いただければありがたい。 |
参考情報 | 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/plateau/plateau-view-app/ |
今後の展開想定 | 建築等に関する専門家が所属する審議会や、地域の住民等が組織する景観づくり協議会などで試用し、ツールの改良や機能の拡大を検討していく。ツールの有用性が示せれば予算化(利用料など)も検討する。 |
提案の提出期限 | 2023年7月5日〜2024年12月27日 |