取組内容

  • 家具・家電のサブスクリプションサービスの利用促進(株式会社クラス)
  • 課題のポイント

    実現したい未来

    市民等に「物は所有から共有」という考え方が浸透し、複数利用者のリユースによって製品が耐用年数と比べて長くも短くもなく使われ、退蔵が減少し、ごみの発生抑制、資源循環及び省エネ化が進んでいる状態

    現状

    ごみの減量は大きな社会課題であり、特に大型ごみについては、学生や単身赴任者によって短期間使用で廃棄される家具家電の問題、長期間使用の家電の電力消費の問題、退蔵されている家電の災害時の廃棄物問題など、さまざまな問題が存在する

    解決したい課題

    家具及び家電について、市民等が必要な期間だけ利用し、不用になれば別の市民等が使える取組を事業者と協働で考えたい

    想定する解決策

    市民向け家具及び家電のリース・レンタル利用について、ビジネスモデルの構築や市民啓発を行う

    民間組織側の想定メリット

    • 長期間の個人等向けリース・レンタル事業のノウハウの獲得
    • ごみの発生抑制、リサイクル率向上及び省エネ化に貢献することで、SDGsに積極的な事業者であることを社会的にアピール

    Story

    ごみを減らすことの意義

    「持続可能な社会」を構築するためには、資源の消費を抑制し、環境への負荷の低減する必要があります。そのためには、大量に生産し、大量に消費する生活様式を見直さないといけません。

    京都市のごみの量は2000年度の82万トンをピークに、市民・事業者等の皆様のご協力によって年々減量に成功し、2020年度にはピーク時の半分以下である39万トンまで減量を達成しました。今後は、次のステップとして、より資源循環に重点を置いた取組が必要になっています。

    京都市のゴミの排出量の変化を示したグラフ。解説は本文参照。
    京都市のごみの量の推移
    (出典:京都市環境政策局資料)

    「大型ごみ」の抱える問題

    家庭から日常的に排出される生ごみや紙ごみに比べ、大型ごみは排出される機会は少ないものの一つ一つが重いごみです。大型ごみの排出量は例年3、4月の引っ越しシーズンに増加する傾向があり、人口の約1割を学生が占める本市の特徴から、この中には短期間使用で廃棄されてしまう家電や家具が多く含まれていることが推察されます。

    一方で、大型ごみを減らすために長く家電を使うことが推奨されるかと言えば、そうとは言い切れません。古い家電は消費電力が大きいため、長く使い続けるよりも省エネ家電に買い替えるほうが環境によい場合があるのです。

    また、排出量からは見えてこない大型ごみの問題があります。手続きや運搬の面倒さから処分されないまま保管されている古い家具・家電は、災害時に災害廃棄物となる可能性がある大量の「隠れたごみ」なのです。

    家具・家電は、必要性や耐用年数と比べて、長くも短くもなく適切な期間使われ、最終的にリサイクルされることが、ごみの発生を抑制するとともに、資源循環や省エネ化を促進することにつながるのです。

    2R型ビジネスモデル

    これまでのごみ減量の主流は2R(「リデュース: 発生抑制」および「リユース:再利用」)と、分別・リサイクルでした。中でも京都市が力を入れて取り組んできた「2R」では、近年、様々な形態のビジネスモデルが生まれています。なかにはインターネット上の中古品の個人売買のように、一般利用者に負担感を抱かせることなく「サーキューラー・エコノミー(循環型経済)」を浸透させた例も挙げられます。

    今回のオープンラボでは、2R型ビジネスモデルのひとつ、「シェアリング」に取り組みたいと考えています。

    モノの「所有」から「共有」へ

    「シェアリング」とは、単独の利用者によるモノの「所有」とは異なり、複数の利用者による「共有」を意味します。したがって、モノが不用になったり使わない時は、それを必要とする誰かが容易に利用できるようにビジネスモデルとする必要があります。

    具体的な例としては「カーシェアリング」「コンビニのコピー機やコインランドリーの洗濯機」などがありますが、この考え方を生活全般の家電や家具に適用していくのです。

    家具や家電のリースでは、利用者は、必要とする期間にメーカー等から必要な機能(本を置く場所、冷暖房等)の提供を受け、利用が終了すれば引き取ってもらえるため、処分の手続きなど「モノを所有する負担」から解放されます。

    また、メーカーは製品の耐用年数で交換を行うことができるため、世の中で利用されている自社製品のパネルやモーター等の物品の総量を把握しやすくなります。これによって、製品のサポートに必要な物品の適正な量の確保が可能になり、生産工程でのごみの発生抑制にもつながります。さらに、耐用年数を過ぎた製品のメーカー等による回収は、リサイクルしやすい製品設計を促すことが期待されます。

    学生や単身赴任者だけでなく、社宅や高齢者住宅など、家具、家電付きの物件を提供したい事業者に対してサービスを提供できれば、よりスムーズにシェアリングが受け入れられるかもしれません。

    ビジネス環境や価値観の転換

    我々の現在の社会は、製造、運搬、販売等どの段階を見ても、依然モノの「所有」を前提としています。したがって、シェアリングを促進するためには、現在のビジネス環境における課題や解決法を探さなければなりません。

    こうした中、モノの「所有」から「共有」へ価値観の転換にともに向かっていくパートナーを求めます。

    思いを巡らす様子の担当者

    募集概要

    担当課

    京都市環境政策局循環型社会推進部資源循環推進課

    担当部署の事業の概要

    ごみの減量及びリサイクルの促進

    背景
    • 天然資源の消費を抑制し、「持続可能な循環型社会」を実現するためには、環境負荷が低い2R(リデュース、リユース)が優先される社会の形成が必要であるとともに、更なるリサイクル率の向上による資源循環の促進が必要である
    • また、地球温暖化対策として2050年に人為的な二酸化炭素排出量を正味ゼロにするためには、家電の省エネ化を促進する必要がある
    実現したい未来

    市民等に「物は所有から共有」という考え方が浸透し、複数利用者のリユースによって製品が耐用年数と比べて長くも短くもなく使われ、退蔵が減少し、ごみの発生抑制、資源循環及び省エネ化が進んでいる状態

    現状
    • ごみ処理には多額の経費を要するためごみ減量は大きな社会課題であるが、京都市では例年、3、4月に大型ごみの排出量が多くなっており、本市人口の約1割を占める学生や単身赴任者の引越に伴い、耐用年数に満たない使用期間で廃棄されている家具及び家電が多いと推測される
    • 一方、長期間使用あるいは退蔵されている家電は、多量の電力消費につながるほか、災害時等に大量の廃棄物として排出され迅速な処理が困難となる
    • しかし、「家電製品使用年数調査報告書」(2017年度版、家電製品協会)によると、長期間使用あるいは退蔵されている家電が一定程度存在(例:購入後20年の冷蔵庫の残存率は約1割)するとされている
    検討経緯・これまでに実施したことがある施策等

    近年、個人中古品売買の市場規模が拡大している状況を踏まえ、リユースを更に促進させるためには、民間主体の仕組みの構築が必要となっている

    解決したい課題

    家具及び家電について、市民等が必要な期間だけ利用し、不用になれば別の市民等が使える取組を事業者と協働で考えたい

    想定する解決策

    市民向け家具及び家電のリース・レンタル利用について、ビジネスモデルの構築や市民啓発を行う

    民間組織側の想定メリット
    • 長期間の個人等向けリース・レンタル事業のノウハウの獲得
    • ごみの発生抑制、リサイクル率向上及び省エネ化に貢献することで、SDGsに積極的な事業者であることを社会的にアピール
    提案企業に求める専門性
    • リース・レンタルがごみの発生抑制及び省エネ化につながるという社会的意義について理解していること
    • 家電については、省エネ家電を提供できることが望ましい
    • 家具については、長期間使用できる製品を提供できることが望ましい
    提供可能なデータ・環境等

    スケジュール感・主要なマイルストン

    令和3年度内に実証事業開始

    事業実施にあたっての留意点、制約等

    本事業は、京都市が毎年度の予算を投じて実施するものではなく、事業者による自走を想定している

    参考情報

    本市では、「京・資源めぐるプラン」の基本的に方向性に2Rを挙げ、また、重点施策を具体化した取組として「引っ越しや家財整理時等における積極的な民間活用を含めたリユースの促進」及び「大型家具や家電等の使用済み退蔵品の排出促進」を掲げている

    今後の展開想定

    実証事業の結果を基に、本市は市民等に家具及び家電のリース・レンタル利用を啓発する

    提案の提出期限 2021年11月8日〜11月29日

    この課題の募集は終了しました

    レポートが公開されています

    成立案件の一覧へ戻る

    ビジネス拠点としての京都市の強み

    01

    伝統と革新から
    生まれた
    京都ブランド

    02

    人材の宝庫・
    知の集積地

    03

    自然が近い
    コンパクトシティ

    04

    ビジネス視点での
    豊富な京都
    ロケーション

    05

    良好なアクセス&
    災害に強い街

    06

    企業立地を
    トータルサポート

    Kyo-Working|京ワーキング