募集課題
路地の再興 ~大学生のすまいとして~
担当課
京都市都市計画局まち再生・創造推進室
採用企業等
株式会社電通デジタル

京都市都市計画局まち再生・創造推進室では、『都心部に残る路地を暮らしの場として活用し、まちの安全性向上・空き家を有効活用できる未来の実現』を目指しています。

京都市内には約4000本の路地があります。これらは利便性の高い市内中心部(上京区・中京区・下京区・東山区)に多くありながらも伝統的な京町屋も残され、静かで魅力的な生活環境を保っています。

一方で、法規制等により建て替えが困難であることから不動産評価が低く、一般的に魅力的な物件とみなされないため、市場流通にのりにくく未活用のままで残っているのが現状です。

そこで、「路地の再興 ~大学生のすまいとして~」を解決したい課題に設定し、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、株式会社電通デジタル(所在地:東京都港区、代表取締役:瀧本 恒)から下記のような解決策の提案があり、京都市として採用することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。

プロジェクトの概要

目的 都心部に残る路地を大学生の暮らしの場として活用し、まちの安全性向上・空き家を有効活用できる未来の実現。
課題 路地の建物は、建物の古さ、建て替えが困難であることから不動産評価としては低く、一般的に魅力的な物件とはみなされていないため、市場流通にのりにくく未活用のまま放置されることが多い。
解決策 株式会社電通デジタルが提案する、畳を素材に立て看板を制作し京都らしさを体現。新入生が京都を訪れるタイミング(オープンキャンパス・学園祭等)で市内の大学に立て看板を設置し、大学進学前に路地という物件を入居先の選択肢として、新入生に認知させる。

路地に住む価値(京都らしさの満喫・文化継承の一旦を担えるなど)を伝える。

成果 効果的な広告手法について知見を得ることができた。

大学関係者とのヒアリングにより大学生の暮らしの実態等について知見を得ることができた。

プロジェクトのタイムライン

R6.6月にキックオフ。R6.7月に畳製立て看板納品。R6.8月に京都美術工芸大学のオープンキャンパスで立て看板、デジタルサイネージ設置。R6.11月に京都市立芸術大学の学園祭で立て看板設置。クリックで拡大表示。

企業が提供した技術やアイデア

日常生活の中で路地の暮らしをイメージさせる視覚的な情報発信として畳を活用した立て看板の設置、入学前の大学生に向けたプロモーション方法など、あらゆるタッチポイントに共通するコアアイデアを提供。展示什器の開発など。

畳を活用した立て看板。クリックで拡大表示。
畳を活用した立て看板

畳を活用した立て看板。クリックで拡大表示。畳を活用した立て看板。クリックで拡大表示。

京都市が提供したサポート

  • 広告物に関する法規制調査・所管課との調整
  • 立て看板設置のため大学事務局と調整
  • まち再生・創造推進室のSNSアカウントを新たに立ち上げ情報発信

新たな知見を活かし、若者の路地居住に向けたフローを検討

京都市都市計画局まち再生・創造推進室:木山

京都市内には約15万人の大学生がおり、隣接県に実家がない大学生の多くは賃貸マンションに暮らしています。

一方、昨今では昔ながらの風景が残る路地を借り、DIYでの改装やルームシェアなど工夫をしながら暮らしている若者もいます。

路地の住宅はファミリー層には手狭な物件も多くありますが、単身の学生やカップルが暮らすには手ごろなサイズ感です。

このことから、路地に未活用のまま残っている建物を市内に住む大学生が有効活用できないかと考え、プロジェクトを発案しました。

今回、株式会社電通デジタルと連携したことで、「畳」を使った広告という新しい手法の知見を得ることができました。

また、大学生の暮らしの実態について、大学関係者の方に直接ヒアリングできたことも成果の一つです。

引き続き、畳の立て看板を掲示する予定です。この広告を見て、一人でも多くの若者に京都の路地の魅力を知っていただきたいと思っています。

今後も、京都のまちに興味を持った若者が路地の居住に結びつくようなフローを検討し、まちの安全性向上、空き家の有効活用に向けて尽力いたします。

日本有数の文化都市京都の魅力を次世代に伝える

株式会社電通デジタル 企画担当:森内憲司さん

株式会社電通デジタル企画担当:森内憲司さん。クリックで拡大表示。

当社は、国内最大規模の総合デジタルファームとして、「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」をパーパスに、生活者に寄り添うクリエイティビティとテクノロジーを統合的に活用することで、あらゆるトランスフォーメーションを実現しています。

今回は、当社の持つアイデア開発ノウハウを活用することで、日本を代表する文化都市である京都の文化保存への貢献、そして次代を担う若者に日本家屋や日本文化に触れる機会を提供したいとの思いから施策提案をし、連携に至りました。

京都市との連携では、前例のない「畳による屋外広告の制作」という新しい試みを受け入れていただいたことで、新しいコミュニケーションのカタチを提供することができました。

また、制作開発関係者から京都ブランドへの好意的な反応もいただき、制作過程では関連業者様との新しい取引もいただけるなど、当社にとっても大きな成果が得られたと感じています。

畳の広告をよりよく活用するための施策を検討

今回の京都市との連携では、大学や学生が集まる場所でコミュニケーションを取り、大学との関係も深めてきましたが、こういった施策の実施ハードルは決して低くないことも実感し、今後のコミュニケーション戦略立案の学びになりました。

また、京都市が抱えている課題や現地の情報を得ることで、京都の路地をはじめとした生活環境への理解が深まりました。

大学進学前に、路地の物件を入居先の選択肢に入れていただくため、引き続き畳を活用したコミュニケーションを研究し、施策検討をしていきたいと思います。

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