募集課題
地域との協働による密集市街地の防災性の向上の取組
担当課
京都市都市計画局まち再生・創造推進室
採用企業等
三井住友海上火災保険株式会社

京都市都市計画局まち再生・創造推進室では、自治連合会など防災まちづくりに取り組む地域団体が、企業等の多様な主体のノウハウ・技術・資金等を活用しながら持続的に活動が展開される状態を目指しています。

しかし、持続可能な防災活動を進めていく上では、地域の取組に参画する団体の存在が望ましく、また、活動が途切れると、災害への事前の備えや、災害時の対応が疎かになり、火災・建物倒壊のおそれが高くなるとともに、救命活動の遅れなどに繋がる可能性があります。

そこで、「地域との協働による密集市街地の防災性の向上の取組」を解決したい課題に設定し、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、三井住友海上火災保険株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役:舩曵 真一郎)から下記のような解決策の提案があり、京都市として採用することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。

プロジェクトの概要

目的 防災まちづくりに取り組む地域団体(自治連合会など)が、企業等の多様な主体のノウハウ・技術・資金等を活用しながら持続的に活動を展開する状態の実現。
課題 古い木造建築物や木造密集市街地が広く分布している地域は、町家が立ち並び、濃やかなコミュニティが息づくなど京都らしい風情をたたえ、京都の魅力となっている一方で、大規模地震等の災害時に、都市防災上の大きな問題を抱えている。また、防災まちづくりに取り組む地域で京都市が永続的に支援を行うことはマンパワー・財政の面からも現実的ではない中、地域には、取組を継続するためのノウハウ・技術が乏しく、支援の切れ目が活動の切れ目に繋がりかねない。

持続可能な防災活動を進めていく上では、地域の取組に参画する団体の存在が望ましく、また、活動が途切れると、災害への事前の備えや災害時の対応が疎かになり、火災・建物倒壊のおそれが高くなるとともに、救命活動の遅れなどに繋がる可能性がある。

解決策 企業の技術・ノウハウ・アイデアを活かした持続的な防災まちづくりや、地域の資源を活用した新たな企業協賛・資金面での地域支援を実行する。
成果 三井住友海上火災保険株式会社の協力を得て、地域主体の防災まちづくりの「防災パートナー」として、その保険代理店が参画する全国初の取組に関する協定を締結した。その協定に基づき、北区紫野学区と株式会社京都ウエスト、上京区出水学区と三井住友海上エイジェンシー・サービス株式会社がそれぞれパートナーとなり、防災イベントや防災マップのデジタル化など、地域、企業、行政による協働の取組を推進できた。

プロジェクトのタイムライン

  • 紫野学区(北区)

R6.4月に防災パートナー協定の締結。R6.9月に防災街歩きに参加。R6.11月に総合防災訓練で子供向けのブース出展。クリックで拡大表示。

  • 出水学区(上京区)

R6.4月い防災パートナー協定の締結。通年で町内防災行動計画書のデジタルマップ化。R6.7月に自主防災研修会で講演。R6.10月に防災街歩きに参加。R6.12月に総合防災訓練でのブース出展。クリックで拡大表示。

  • 各区・支所との連携

R6.4月に防災パートナー協定の締結。R6.9月に洛西支所の防災グッズの展示。R6.10月に竹の里小学校での防災学習の実施(洛西支所)。R6.11月に桂坂学区総合防災訓練でのブース出展(洛西支所)。R6.12月に下京区総合防災訓練でのブース出展。クリックで拡大表示。

防災まちあるきの様子。クリックで拡大表示。

防災まちあるきの様子。クリックで拡大表示。
防災まちあるきの様子
総合防災訓練 ゆらゆらマットコーナー~揺れた地面でどう動く~(紫野学区)。クリックで拡大表示。
総合防災訓練 ゆらゆらマットコーナー~揺れた地面でどう動く~(紫野学区)
総合防災訓練で設置された非常食(出水学区)。クリックで拡大表示。
総合防災訓練で設置された非常食(出水学区)

企業が提供した技術やアイデア

  • 防災パートナーとしての保険代理店の紹介
  • 防災に関する施策案
  • 施策案を解決・実施するための各種ツール(展示用の防災グッズや、防災講習会の資料など)

京都市が提供したサポート

  • 地域の紹介
  • 防災まちづくりに取り組む他団体の取組の紹介

地域・企業・行政が連携する防災まちづくりの拡大

京都市都市計画局まち再生・創造推進室:村上真史

本プロジェクトでは、紫野学区と出水学区から「総合防災訓練に多くの子供たちが参加し、また、楽しみながら防災を学んだことで、次世代への継承に期待が持てる」「高齢者が多い役員にはデジタルに強い人が少ないので、幅広く活用が可能な防災マップのデジタル化ができ、助かっている」と期待の声をいただきました。その結果、自主的な活動に繋がるなどの効果が生まれています。

今後も、地域の取組の幅を広げ、かつ、様々な人の参加を促し、自主的な活動につなげていく予定です。さらに、密集市街地の他の学区や新たな各区・支所への拡大を図りながら、地域、企業、行政による協働の防災まちづくりを進めていきます。

代理店へ「地域防災の支え手」という新たな役割を

三井住友海上火災保険株式会社 京都支店 金融法人営業課 主任:下﨑 功大郎さん

三井住友海上火災保険株式会社 京都支店 金融法人営業課 主任:下﨑 功大郎さん。クリックで拡大表示。

当社は、グローバルな保険・金融サービス事業を通じて安心と安全を提供し、国内外の損害保険事業を中心に、生命保険事業や金融サービス事業、リスク関連事業などを展開している会社です。今回京都市に「地域に根差した活動に注力している専業代理店(プロ代理店)が、保険に関することのみならず防災についても地域の相談窓口となること」を提案し、連携するに至りました。

これまでも、保険代理店が防災訓練や小学校での防災授業など地域の防災活動にピンポイントで参加することはありました。しかし、今回京都市と連携したことで、より継続的な関係性が構築できていると感じています。

また、損害保険会社では、以前から直接または保険代理店経由で防災に関する施策のご案内を企業や地域に行ってきました。しかし、より深く関わらさせていただくことで、防災に関して地域の方々が求めることがよく分かりました。

防災支援を通じて施策の開発・ブラッシュアップへ

京都市内の複数の学区とパートナーとなることで、防災訓練などのイベントにおいて、パートナー代理店の紹介や当社防災グッズのご案内などを実施させていただきました。さらに、各区・支所をご紹介いただいたことで密集市街地以外の地域・区とも連携が実現し、より幅広いエリアで同活動を実施できているのも大きな成果です。

今後は、パートナー代理店が各地域や学区のことをもっと深く理解し、実際の状況や取り組みにより適したご提案・ご協力ができればと考えております。地域の自主防災会様のみならず、地域の皆様にもパートナー代理店のことを広く知っていただき、緊急時への備えに関してお気軽にご相談いただける存在になっていきたいです。

今後もさまざまなご意見やご要望をいただきながら、当社施策の開発、ブラッシュアップに繋げていきます。

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