京都アクアリーナでの赤外線サバイバルゲームイベントの開催
- 募集課題
- 西京極総合運動公園の多目的活用トライアル
- 担当課
- 京都市文化市民局市民スポーツ振興室
- 採用企業等
- 株式会社二加屋

京都市文化市民局市民スポーツ振興室では、西京極総合運動公園を「スポーツをする場」だけでなく、子育て世代が子どもと一緒に楽しめる憩いの場、レジャーや遊びを満喫できる場、地域の人々が気軽に集える場として、さまざまな用途で活用できる公園へと進化させることを目指しています。
当公園には、野球場や陸上競技場など京都府内でも最大規模のスポーツ施設や広場が整備されており、休日は競技団体の大会や試合で賑わう一方、平日は利用者が少ない状況でした。また、現在の来訪者の多くがスポーツ目的で訪れており、それ以外の用途での利用が十分に広がっていないという課題がありました。
そこで、「西京極総合運動公園のスポーツ以外での多目的利用の推進」を解決したい課題に設定し、民間企業の技術やアイデアを募集したところ、株式会社二加屋(所在地:大阪市阿倍野区、代表取締役:杉本旬平)から下記のような解決策の提案があり、京都市として採用することを決定し、共にプロジェクトに取り組みました。
プロジェクトの概要
目的 | 西京極総合運動公園を「スポーツをする場」だけでなく子育て世代が子どもと一緒に楽しめる憩いの場、レジャーや遊びを満喫できる場、地域の人々が気軽に集える場として、多様な活用で幅広い世代が気軽に楽しく訪れられる場への実現を目指す |
課題 | ・スポーツ施設利用者以外にも平日休日問わず利用してもらえる公園にすること。
・子育て世代が子どもと一緒に楽しめる場にすること。 |
解決策 | 株式会社二加屋と連携し、赤外線サバイバルゲーム「赤サバ」を活用した研修やイベントを実施。 |
成果 | 公園内のスポーツ施設について、スポーツ以外の活用方法を見出すことができた。
・トライアル研修実施:参加者数10名 ・「赤サバしようぜ!」in京都アクアリーナ:参加者数160名 ・赤サバ×eスポーツ「ぷよぷよ大会」:参加者数:約30名 |
プロジェクトのタイムライン
企業が提供した技術やアイデア
赤外線装置を活用したサバイバルゲーム 「赤サバ」 を取り入れた研修・イベントを企画。ゲームを通じて、自己理解や相手との関係性を築き、チームワークを高めることを目的としている。ファシリテーターが進行をサポートし、ゲーム後の振り返りや意見共有の時間を設けることで、個々の気づきを引き出し、学びを実践に活かせるように導く。
- 赤サバイベントのファシリテーター(進行役)
- 赤外線銃セット
- 赤サバイベントで使用する段ボール

京都市が提供したサポート
- 施設利用における指定管理者との連携調整
- 報道発表や市ホームページ(京都市情報館、はぐくーもKYOTO)掲載などの広報協力

公園の新たな活用方法を見出すことに成功、今後も連携を検討予定
京都市文化市民局市民スポーツ振興室 中川、野中
株式会社二加屋 人財コーディネート事業部との連携により、西京極総合運動公園内のスポーツ施設「京都アクアアリーナ」で赤外線銃を利用したサバイバルゲーム「赤サバ」を開催しました。これにより、スポーツ以外の新たな公園活用の可能性を見出すことができました。
今回の実証事業では、子育て世代が子どもと一緒に楽しめるイベントを実施できることが確認でき、「赤サバ」が公園の多目的利用を促す手段となることが分かりました。「赤サバ」は楽しみながらチーム戦を行えるため、戦略的思考やコミュニケーションスキル向上に役立ちます。こうした特性を活かし、子どものキャリア教育や企業の人材育成に有効なコンテンツになる可能性を感じています。
また、ゲームを通して自然と体を動かすことができ、スポーツとの親和性が高い点が特徴です。今回の取り組みがプールやトレーニングルーム等の施設利用促進にも繋がることを期待しています。
今後も、公園内イベントと連携しながら、子育て世帯向けの「赤サバ」やeスポーツイベントの開催を推進し、スポーツ目的以外の公園利用の拡充を図っていきます。さらに、学校や企業の研修プログラムで「赤サバ」などを展開し、課題であるスポーツ施設の平日利用の推進を行っていきたいです。
最終的には、西京極総合運動公園の「エンタメ×キャリア教育の聖地化」を目指し、サバイバルゲームのほか、防災イベントや eスポーツ企画など多様なプログラムを実施し 、地域住民や子育て世代、さらには市外からの新たな来訪者を増やし、公園の多目的活用の推進を目指していきたいです。
京都市との連携事例により赤サバの可能性を再確認
株式会社二加屋 人財コーディネート事業部企画担当:西野英男さん
(現:合同会社キャリアボンド 代表社員)
当社の人財コーディネート事業部では、赤外線装置B2iを活用したサバイバルゲーム「赤サバ」のイベントを提供しています。赤サバは体験型のeスポーツでありながら、研修要素を取り入れたプログラムのため、マネジメント力や組織力、リーダーシップ力、判断力向上などを目的とした組織研修や、お子様の学びあるエンターテインメントとしてのメリットを備えております。
「赤サバ」の特長は、安全性とエンタメ性の両立にあります。赤外線技術はテレビのリモコンと同じ仕組みで、BB弾を使用しないため、会場を傷つけず心配がなく、さまざまな施設で安心して体験できます。また、親子で対戦できるスポーツのため、親子の自然なコミュニケーションの場としても有効です。さらに専用銃を使用することで暴力的なイメージを抑えつつ、エンタメ性の高いシューティングゲームとして楽しめる設計となっています。
実証事業のイベントでは、実施に当たって新聞記事でも紹介されたほか、160名の枠が満席となり、ケーブルテレビの取材が入るなど予想を超える反響を得ました。また、「赤サバ」を用いた研修では、参加者から高い満足度と評価を頂きました。
研修では、「感情が動く→探求心に火が付く→欲求を加速→行動変容」というポジティブな循環が生まれていました。また、参加する個人や組織の価値観によって異なるゲーム展開になり、行動特性や性格特性が顕著に表れます。ゲームを通してリーダーシップや協調性・単独行動・連携・コミュニケーションなどが活発化され、今後の仕事に活かせる気づきが促せました。
非日常的な「銃」を持つことで感情が高まり、普段は抑えがちな本音や行動が自然と引き出されることも赤サバならではの特長です。この高まった感情をいかにコントロールできるかというのも研修の一部となり、改めて赤サバの可能性や研修効果を感じました。
実施後のアンケートでは参加者全員が「面白い」と回答しており「遊びを仕事に置き換えることで気づきが多い」「知らなかった自分や仲間の行動が垣間見れた」といった意見が寄せられました。多くの参加者が、研修やイベントの内容を仕事や実生活に活かせると感じられたようです。
新たな繋がりが生まれ、依頼や問い合わせが発生
イベント開催において、京都市による積極的な広報活動のおかげで参加者の獲得や認知拡大に大きな効果を得ることができました。また、この実績が他地域や企業からの評価や安心感に繋がり、研修体験の問い合わせも頂いております。
さらに、本プロジェクトにより、京都アクアリーナや京都市の方々と新たな繋がりを得ることができました。イベントからの派生により、京都市伏見区醍醐地区から小学生のキャリア教育の一貫として「赤サバ」イベントの打診を受け、現在協議を進めています。
京都アクアリーナにおいて研修・イベントを開催でき、「赤サバ」が地域資源の有効活用に貢献できることが証明できました。また、eスポーツの「ぷよぷよ」と「赤サバ」のコラボイベントを実施するなど、派生コンテンツが誕生したことも大きな収穫です。
今後は、西京極総合運動公園全体を活用した大規模な研修やイベントの開催を模索しながら、管理企業や京都市と協議し新規利用者の獲得に繋げていきたいと思います。西京極総合運動公園を「赤サバの聖地」として確立し、価値を高めていくことを目指します。
なお、株式会社二加屋で行ってきたエンタメ研修「赤サバ」については、合同会社キャリアボンドとして独立・起業し、引き継ぐことになりました。今後、合同会社キャリアボンドとして赤サバを使った研修やイベントを開催してまいります。
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